前回、愛車Alfa GTについて紹介しましたが、トランスミッションは、セレスピードというセミATです。
セミATとは、クラッチべダルがないMT。
つまり、従来のMTと同じようにクラッチがありますが、クラッチ操作は機械がやってくれます。
シフトチェンジは、フロアノブとハンドルの裏側左右にあるパドルで行います。
僕は、半々で使用しています。
この図でエンジンの左下に見えるユニットがクラッチ操作とギア操作を行う、セレスピードユニットです。油圧で動いています。
セレスピードは2000年デビューの147に初めて載せられました。
それまでアルファロメオはBセグメントの164より下のモデルではMTしか設定されていませんでした。
一方、日本はご存知の通り新車の90%以上がAT。
そんな市場で147がいくら元気なホットハッチだといっても、ホントのエンスーにしか売れない….
ということで、F1で確立したセミAT技術を量産車にも投入したのがセレスピードでした。
が!
壊れたんですよ。特に初期のセレスピードが。
ジャダーが出る、シフトチェンジが荒い(ドンッとつながる、振動が大きい)くらいならまだましで、1速に入らない、3速から変わらない、Nに戻らない、Nから動かない……
各地でレッカーが大活躍(笑)もう目も当てられないほどです。
もうセレスピードは選ぶべきではない、とまで言われる始末。
でもですね、僕が思うに日本のユーザーはディーラーも含めて認識が根本的に間違っていたんじゃないかと思います。
セレスピードはATではない!!
クラッチペダルのないMTである!!
確かに、法規上はAT限定免許でも乗れます。
なので認識違いが起こるのも無理もないのですが、基本的にメカニズムはMTなのです。
それをATと同じように扱おうとするから無理が来る
基本設計とういうか、設計思想の背景からして違うのです。
ヨーロッパは日本と逆で特に小型車は90%以上がMT。
イタリアなんかでは、おばあちゃんがMTを華麗に操って、ブンブンエンジン回して走り回っているというのが常識の世界。
そんな常識が染みついている中で設計された2ペダルトランスミッションが、AT寄りになるわけがないのです。
基本的にはクラッチペダルを無くしたMTなので、本来MT免許を持った人がMT車を運転する感覚で乗るべきものなのです。
それが、クラッチ操作すらしたことがないAT限定免許の人が、未知のトランスミッションを相手にAT感覚(というか、トランスミッションを意識しない)で運転すれば、無理が出てくるのも道理です。
(まあ、耐久性とか精密さとかその辺に問題がないと言えば、否定はできないのですが 笑)
長くなったので、セレスピードの扱い方については次回。笑
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